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「お誕生日おめでとうございます」
「はあ、どうも」 「あなたも今日から大人の仲間入りです。二十歳なんです。わかりますね」 「もちろんです」 「お酒が飲めるからといって飲みすぎてはいけませんよ。煙草も駄目ですからね」 「わかってますよ」 「いい子ですね。いい子なあなたに特別にプレゼントをあげましょう」 「プレゼント?」 「はい。あなたの頭脳はそのままで、体を中学生の頃のものに若返らせてあげましょう」 「……いえ、結構です」 「なぜです? 女性ならば何よりも若さを大事にするはずでしょう? まさかあなた、二十歳になったばかりだというのにもう若さを手放す気ですか? そんなことしたら後悔しますよ。絶っ対後悔しますよ」 「後悔、ね……」 「そうですとも! あなたも女性に生まれたならば女性として己を磨くべきです! さあ、若返らせてあげましょう。早く目を閉じて! 十数えて! 目を開けると、あなたは中学生に戻って――」 「あの、すみませんが、○○さん」 「ああ、もう! せっかく覚えた台詞噛まずに言えたのに! どうして邪魔するんですか!?」 「はい、すみません。ごめんなさい。と言うかまず聞いてくれません?」 「はいはい、聞いてあげますよ。なんですか?」 「僕、体が中学生に戻っても嬉しくないんですが」 「なんと?! なぜですか!!」 「なぜって……。だって僕、小学五年生の時から背、伸びてないし。あんまし体系変わってないし」 「……」 「だから、若返るだけ無駄ですよ。十秒間目を閉じて開けても、鏡に映るのはこの僕です。だから若返らせていただかなくて結構です」 「……う」 「う?」 「うわああああああん!!」 泣き喚き、彼(彼女?)は白い地平線の向こうへ消えていきました。 ええ、夢の話ですよ。 もちろんですとも。 二十歳の誕生を迎えまして、様々な方からお祝いのメールをいただきました。 チーと舞風から来たのは少し驚きました。 毎日のようにど突かれてましたからね、僕は……。 ただ、僕は彼女達のはっきりとした誕生日を知らないんですよね。 チーは、たぶん大丈夫。うん、大丈夫大丈夫。 舞風は、舞風としての誕生日と本当の誕生日がありますからね。 一年に二歳歳取るんですかね。彼女は。 時塔家の畑が薔薇園になりそうです。 母があちこちから薔薇を買ったり貰ったり摘んできたり(←) 赤、黄、紫、白、ピンク、オレンジ。クリスマスローズを加えれば緑とどす黒い紫。 あんなカラフルな畑は初めて見ましたよ。 因みに、その晩の風呂は薔薇風呂でした。
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