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今日は、僕らの高校の六十周年記念の式典がありました。
十年に一度の一大イベントというだけあって、教師達はどこか緊張している様子。 僕らのクラスは、前日の式典の予行練習で、番号順に並ばず好き勝手に席についていたため、教師Iに叱られていました。 そして今日。 式典が終わり、皆が伸びなどをしていると。 「R、M。お前らちょっと来い」 教師Iがクラスメートの二人の名を呼びました。 僕はあまり興味なかったのでボ~ッとしていたんですが、突然。 「バカタレが――――――――――!!!?」 教師Iの怒声が、体育館に響きました。 前方に座る三年生は、「なになに?」「どしたん?」と振り返り、後方に座るクラスメート達は、「あ~ぁ」「馬鹿やろ……」等とため息をつきます。 RとM。よりにもよってこの二人、来賓席の真横の席で居眠りしていたのです。 片方は、前の椅子に足をかけて寝ていたらしく、教師Iの怒りもごもっとも。 暫くして二人は帰ってきたんですが、何故か頭を抱えていました。 「どしたんあんたら?」 クラスメートが尋ねれば、 「殴られた、まじイテェし」 と返してきます。 殴られたのは自分達のせいでしょうに。 ですが、僕もあまり人のことを言えないんですよねぇ。 なにせ、僕自身ウトウトしていて、何度かガクッとなってましたから。 ひとつ間違えれば、僕も教師Iの怒りを買うことになってたんですね。 くわばらくわばら……。 人は誰でも夢を見ます。
空を飛ぶものだったり、友達と遊ぶものだったり、内容は様々でしょう。 僕も今まで、沢山の夢を見てきましたが、今日のものほど滑稽なものはありませんでした。 まず、僕は自転車に乗って帰路についていました。 しかし、何故か急にスピードがあがって、こいでもいないのに勝手に進むんです。 しかもそのルートは歩道車道関係ないらしく、道路のど真ん中を突っ切っていきます。 ときには、車と車の間を間一髪で走り抜け、ときには、急カーブを見事なハンドルさばきで30度の角度で逃れていきます。 そして、場面はいつの間にか変わっていて(おそらく、急カーブのくだりで転換したものと推測する)、気付いたときには平安時代の貴族が住むような立派な屋敷の中にいました。 着ているものは、時代にそぐわない十二単のようなもの(とても動きにくい)。そして、僕を召喚(?)したらしき人物は目の前にいました。 その人は、みなさんも良く見知っているであろう、有名芸能人の品○庄司の品○さんでした。 焦りましたよ。夢の中で。 あとから知ったんですが、どうやら夢の舞台は鬼が支配する平安の都みたいなんです。 品○の顔をした鬼に召喚された僕は、召喚主に従わなければならないらしく、とりあえず雑務をこなしました。 暫くして品○さんが、 「かなり上級の鬼様が来るから、無礼を働かないように」 と言ってきました。 逆らえばどうなるかわからなかったので従えば、すぐに鬼様がやってきました。 そして品○さんは、よくいる悪どい商人のごとく手を擦って、鬼様にコビを売ろうとしました。 鬼様は気に入らなかったらしく、品○さんを打ち首にしてしまいました。 さて、ここで僕は使える主人を失ってしまったことになります。 どうしたものかと首を捻っていたら、鬼様が、 「我が屋敷に来い」 と言ってくれました。 強そうなので逆らう訳にもいかず着いていくと、そこもやはり立派な屋敷。 品○さんの屋敷とは比べ物にならないくらい広いそこに圧倒された僕は、鬼様に背中を押されながら敷居を跨ぎました。 それから鬼様の屋敷での生活が始まったんですが、一つだけ問題があるのです。 それは、床が異様に滑りやすいこと。 品○さんの屋敷にいるときとは違って、狩衣を着ていた僕はタビをはいていたので、異常に滑ります。 一歩歩く度に体が傾くので、鬼様や屋敷に使えている鬼達が僕を見て笑うんです。 するとどこからか、料理長のような格好をしたオカマ口調の鬼が現れて、 「あら~、よく滑るわねぇ」 と呑気に言ってくるのです。 見てないで助けて下さい、滑った拍子に足を開きすぎてにっちもさっちもいかなくなってるんですから! しかし、オカマ鬼は助けてくれることはせず、目を細めながら一言。 「あなたが女の子だから鬼様も許されてるけど、男の子だったら即打ち首よvV」 人差し指を立ててにっこりと笑い、鼻唄を歌いながら去っていきました。 足を開きっぱなしの僕は、丁度通りかかった鬼様に助けてもらいました。 それから暫くして、鬼様がまた一言。 「東の鬼様が来ているから、挨拶に行ってきなさい」 言われた通り挨拶に向かうと、また世界が変わります。 なんとそこは、僕の両親が寝室として使っている部屋でした。 そして何故か、置いてあるパソコンのキーボードを有り得ない早さで打っていく鬼が一匹。 「あの……」 カタカタカタカタカタ…… 「すみませ~ん」 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ………… 駄目だ。この人夢中になってらっしゃる。 挨拶を後回しにして鬼様のところに戻ろうとしたら、それまでカタカタカタ……(以下略)していた鬼が立ち上がり、僕に振り返りました。 ギョロッと飛び出た目に、髪が薄くなって頭皮が見えている頭。筋の通った鼻。 恐ろしい形相の鬼でした。 そいつは、緩く羽織っている白い衣を、空気を含むように広げると、ただ一言、 「よろしく」 と言いました。 よろしく、そしてさようなら!! あまりの恐ろしさに僕は逃げたしました。 そして、両親の寝室からまた鬼様の屋敷に戻って、廊下に足を踏み出した瞬間。 滑りやすい廊下ですので、思いきりこけました。 それも前につんのめるのではなく、足を振り上げるようにしてこけたので、後ろ頭を強く打ちました。 そこで目が覚めたんです。 この夢を見た率直な感想は、 ①床の滑りやすい家、または屋敷には住めない。 ②パソコンをする鬼はいるのか? です。 驚きばかりの夢でしたが、一番驚いたのは、この夢を見たのが目覚まし時計を止めて二度寝して再び起きるまでの僅か二十分の間だったってことですね。 何故こんな短い間にこんなに長い夢を見たのでしょうか?
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